「とび・土工・コンクリート工事」の建設業許可を持つ建設業者は、全許可業者の約36%となっており、29業種中で最も多い業種となっています。
「とび・土工・コンクリート工事」は工事内容の範囲が広くて、許可を取っている建設業者が最も多い業種です。
とび土工工事業は、500万円以上の「とび・土工・コンクリート工事」を請負うのに必要となる許可業種で、29種類の専門工事業のうちの1つですが、元請業者として、とび・土工・コンクリート工事を請負い、下請業者に合計4,500万円以上を発注する場合には、とび土工工事業の特定建設業許可が必要となります。
とび・土工・コンクリート工事とは
足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て等を行う工事、くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事、土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事、コンクリートにより工作物を築造する工事、その他基礎的ないしは準備的工事などが該当します。
「とび・土工・コンクリート工事」の例示
次のものが該当します。
とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物の揚重運搬配置工事、鉄骨組立工事、コンクリートブロック据付工事
くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事
土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事
コンクリート工事、コンクリート打設工事、コンクリート圧送工事、プレストレストコンクリート工事
地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、土留工事、仮締切り工事、吹付け工事、法面保護工事、道路付属物設置工事、屋外広告物設置工事、捨石工事、外構工事、はつり工事、切断穿孔工事、アンカー工事、あと施工アンカー工事、潜水工事
とび・土工・コンクリートの経営業務管理責任者要件
営管理責任者(経管)とは、会社が安定して経営ができるように、経営体制を整えて、営業取引上の対外的な責任を負う役割を担っています。
経営判断をともなう業務で、個人事業主の場合は事業主本人が、法人の場合は常勤取締役(株式会社)や業務執行社員(合同会社)が就任することが多くなっています。
建設業の許可を取得するためには、経営業務管理責任者、常勤役員などは必ず必要になります。
なんらかの工事の5年の役員経験
「建設業」を個人事業主としてまたは、会社の取締役として5年間していた者が該当します。
個人事業主または会社の取締役という地位が重要です。「とび・土工・コンクリート工事」を行っている会社に勤務していただけではなく、役員などでないといけません。
5年の役員経験・事業主経験のある人を見つけます。
個人事業主であれば、確定申告書で確認が取れます。個人事業主は確定申告をしなければならないので、確定申告書の5年~6年分を確認します。
法人の取締役であれば、登記簿謄本で確認が取れます。就任から退任まで5~6年あるかを登記簿謄本で確認します。
とび・土工・コンクリート工事の専任技術者の要件
専任技術者の要件も重要です。専任技術者は、建設業法第7条第2項に基づいて、営業所に常勤してその業務に専念する技術者です。
専任技術者は、建設業に関係する経営業務の管理を適正に行うに足る能力を有する者として設置が義務付けられています。
専任技術者の要件については、「資格」「学歴」「実務経験」が複雑に関係しあっていて、むずかしくなっています。
簡単に言えば、「資格」→「学歴」→「10年の実務経験」の確かめていきます。
とび・土工・コンクリート工事に必要な資格
一級建設機械施工技士
二級建設機械施工技士
一級土木施工管理技士
二級土木施工管理技士(土木・薬液注入)
一級建築施工管理技士
二級建築施工管理技士(躯体)
建設総合技術監理(建設)
建設「鋼構造及びコンクリート」総合技術監理
農業「農業土木」総合技術監理
水産「水産土木」総合技術監理
森林「森林土木」総合技術監理
地すべり防止工事
基礎施工士
ウェルポイント施工
型枠施工
とび・土工
コンクリート圧送施工
上記の資格を持っていれば、原則として実務経験の証明をすることなく、専任技術者になることができます。
ただし、資格がなくても、「学歴」「10年の実務経験」があれば、専任技術者になることはできます。
とび・土工・コンクリート工事に必要な学歴
資格を持っていなくても
土木工学に関する学科
建築学に関する学科
を卒業していれば証明する実務経験の期間を短縮することができます。
「土木工学に関する学科」
開発科
環境科
建設科
社会開発科
森林土木科
造園科
など
「建築学に関する学科」
環境計画科
建築科
住居科
造形科
など
大学でこれらの学科を卒業した場合は、実務経験の証明期間は3年です。
高校、専門学校で上記の学科を卒業した場合は、実務経験の証明期間は5年です。その場合には、履修証明書が必要になります。
とび・土工・コンクリート工事に必要な実務経験
資格もなく、関係する学科も卒業していない場合は、とび・土工・コンクリート工事の10年間の実務経験を証明しなければなりません。
証明資料は、契約書や注文書・請書または請求書と入金通帳などがあります。