個人事業主を、法人化(会社設立)することと、会社設立したあとに、すぐに建設業許可を取得する場合です。
個人事業主を法人にする
法人化のメリットとデメリット
たしかに法人化、会社設立すると、節税効果や社会的な信用力の向上などのメリットがありますが、手続きや費用が増えるというデメリットもあります。
メリットとデメリットをよく理解してから、法人化が本当に効果があるのか検討する必要があります。
法人形態
会社法で認められている法人の設立形態は、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社の4つです
法人の大きな違いは、責任の範囲が有限責任であるか無限責任であるかということになります。
会社の出資者が有限責任社員で構成されているか、無限責任社員で構成されているかの違いです。
それぞれの形態の特徴を比較検討して、事業内容や目的に合った形態を選択する必要があります。
会社設立の手続き
法務局への登記申請など、必要な手続きをすすめます。必要書類は法人形態によって異なるために、事前に確認しておく必要があります。
税務署への届出
法人設立後には、税務署へ法人設立届出書を提出する必要があります。
その他の準備
法人口座の開設、社会保険への加入や会計ソフトの準備など、法人運営に必要な準備をすすめます。
個人事業の法人化は、会社設立手続きを行うことで、約1か月くらいで、法人にすることができます。
会社の名称、本店所在地、資本金など、会社の重要事項を決定して、印鑑を用意して法務局に申請します。
手続きは、司法書士に依頼することが多いです。
個人事業主の法人成り(会社設立手続き)、申請先は公証役場と法務局になります。
期間としては、1カ月程度で登記簿謄本が完成します。
最近できたのですが、デジタル庁は、法人設立ワンストップサービスを運営しています。
このサイトでは、法人設立関連の様々な関連手続をオンラインでワンストップで行うことができます。「かんたん問診」では、質問に答えることで必要な手続をリストアップすることができます。また、申請する手続がお決まりの方は、個別の手続を選択して申請することも可能です。
デジタル庁 https://app.e-oss.myna.go.jp/Application/ecOssTop/
建設業許可とは
建設業を営む場合に取得する必要がある許可です。
建設業法の第3条によって定められていて、その目的は「発注者の保護を図ること」と「建設業の健全な発展を促進すること」となっています。
建設業許可は、基本的にはすべての建設会社に必要ですが、例外もあります。軽微な建設工事のみを請け負う場合に許可は必要ないとされています。
・建設業許可が必要な工事は、次のとおりです。
1件の請負代金が500万円以上(建築一式工事の場合は1,500万円以上)の工事
木造住宅以外では1,500万円以上、木造住宅では延べ床面積が150平方メートル以上の工事
建設業許可には知事許可と大臣許可があります。
同一都道府県内のみに営業所を設けて建設業を営もうとする場合は、知事許可、2つ以上の都道府県内に営業所を設けて、建設業を営もうとする場合は国土交通大臣許可が必要となります。
建設業許可を取得時の法人設立について確認すること
(1)本店所在地
自宅兼会社の場合には、営業所要件を満たさないこともありますので注意が必要です。
会社設立時の費用節約で、会社の本店所在地を自宅にするような場合は、自宅兼営業所となると、営業所としての独立性が認められず、建設業許可を取得できない場合があります。
(2)資本金の額
資本金の額は500万円以上にしておきます。
設立時の資本金が500万円未満の場合には、許可申請時に500万円以上の預金残高証明書の提示を求められることがあります。
(3)会社の目的
具体的な工事名の請負および施工という文言にしておきます。
具体的な工事名が入ってないと、後日、追加しますとした念書を求められるケースもあります。
(4)社会保険の加入
社会保険への加入は、建設業許可の必要要件になっています。
(5)税務署へ届け出
税務署への法人設立届が、許可で必要になっています。
(1)~(3)は司法書士業務、(4)は社会保険労務士業務、(5)は税理士業務となるので、会社設立後すぐに、建設業許可を取得したいのであれば、司法書士、税理士、社労士に相談することになります。