一般建設業許可を取得してから、次に特定建設業許可を取得するのが一般的なようです。一般許可を特定許可に変更する場合、重要な要件として技術者の要件と財産的要件があります。
特定建設業許可取得の手続き
特定建設業許可を取得するための具体的な手続きは、次のとおりです。
特定建設業許可の取得要件を満たすかどうかを確認します。
- 特定建設業許可の取得要件は次のとおりです。
- 経営業務の管理責任者を置くこと
- 専任技術者(一級の国家資格者)を配置すること
- 欠格要件に該当しない
- 財産的要件が充足していること
- 特定建設業許可の財産的要件は次のとおりです。
- 欠損比率20%以下
- 流動比率75%以上
- 資本金額2,000万円以上
- 自己資本4,000万円以上
これらの要件を満たすかどうかを、事前に確認しておきます。
申請書類の準備
- 特定建設業許可の申請書類は、次のとおりです。
- 特定建設業許可申請書
- 経営業務の管理責任者の経歴書
- 専任技術者の経歴書
- 欠格要件に該当しない旨の確認書類
- 建設業許可申請手数料
申請書類は、国土交通省のホームページなどからダウンロードできます。
申請書類の提出
申請書類は、都道府県知事、または都道府県知事あてに提出します。
審査期間は、概ね約1か月程度です。
特定建設業許可の有効期間は、5年間になります。
特定建設業許可の技術者要件
一級国家資格者の確認
一級の国家資格者がいない場合であれば、特定建設業許可を取得するのは難しくなります。
国家資格は、一級建築施工管理技士もしくは一級建築士です。
一般建設業の専任技術者の要件しか満たしていない場合であっても、元請として4,500万円以上の工事について、2年以上の指導監督的な実務経験があれば、特定建設業の専任技術者になることができます。
指導監督的な実務経験とは、主任技術者、または監理技術者として、工事の技術上の管理を総合的に指導監督した実務経験とされています。
主任技術者とは、一般建設業の専任技術者の要件を満たしていて建設業者と直接的な雇用関係にある者のことです。
監理技術者とは、特定建設業の専任技術者の要件を満たしていて、建設業者と直接的な雇用関係にある者のことになります。
技術者の常勤性の確認
たとえば、一級建築士の事業所名が印字されている健康保険証の写しなどです。
健康保険証に事業所名がない場合は、健康保険厚生年金保険の標準報酬決定通知書や住民税特別徴収通知書(徴収義務者用)などの書類が必要になります。
財産的要件
欠損比率
欠損比率とは、欠損の額が資本金の額の20%を超えていないことです。
数値が20%以下であることが必要です。
欠損比率が高い会社は、赤字のケースが多くて経営が不安定であることになりますので、欠損比率が高い会社は、建設業許可の取得を認めないことになっています。
流動比率
流動比率とは、流動資産を流動負債で割った数値です。会社の短期的な支払い能力を判断することができます。
この数値が75%以上であることが必要です。
流動資産は、1年以内に現金化できる資産で、現金、預金、売掛金、商品、棚卸資産などです。
流動負債は、1年以内に支払わなければならない負債で、短期借入金、買掛金、未払金などになります。
資本金額
資本金は2,000万円以上であることが必要です。
自己資本
自己資本とは貸借対照表の純資産合計のことです。会社の総資本の内で返済する必要がない資本のことで株主資本とも呼ばれています。企業が自己調達した資金となります。
この純資産合計が4,000万円以上あることが必要になります。
設立初年度の法人に関しては、直前決算がありませんので設立時の資本金と自己資本の額で審査されます。