重任とは
会社役員である代表取締役などの取締役、監査役、会計参与には任期があって、任期満了になると、最終事業年度の株主総会で退任することになります。同日の総会で、同じ人が同じ役職に再度、就任することが重任です。
重任をした場合、法務局へ重任登記、役員変更登記が必要になります。
役員重任登記をしないと
重任登記をしなかった場合は、過料に処せられます。登記懈怠の場合となりますが、会社の代表者は100万円以下の過料に処せられる旨が会社法で定められています。
役員の任期満了から2週間以内に役員変更登記をしていなければなりません。
取締役の重任登記
会社の実態と登記簿謄本で一致しない場合、登記簿謄本上、取締役の重任登記を行ってからでないと、建設業許可の更新を受付けてもらえません。
定款も登記簿謄本も、建設業許可更新では、必要書類として提出します。定款にある取締役の任期や登記簿謄本の取締役について、建設業許可更新でチェックされます。
本店所在地変更
建設業には、建設業法によって、許可が必要となっています(法第3条第1項)。許可申請の場合には、商号や代表者の氏名などを記載する必要があります。
許可申請の時に申請した事項について、変更が生じた場合は、変更届を出す必要があります(法第11条、第12条参照)。
発生から30日以内に届出を行う必要があるもの
・商号または名称を変更したとき
・既存の営業所について、(ア)その名称(イ)所在地(ウ)営業所のいずれかを変更したとき
・資本金額に変更があったとき
・法人の役員等、個人の事業主又は支配人の氏名に変更があったとき
・営業所の新設をしたとき
・新たに役員等、支配人となった者があるとき
・建設業を廃業などをしたとき
本店所在地の変更届
建設業許可更新の前に、本店所在地の変更が必要になります。建設業許可業者が本店所在地を移転した場合は、変更後30日以内となっています。
会社を移転した場合、本店所在地を変更した場合には、許可行政庁30日以内に、本店所在地の変更届を提出しなければなりません。
東京都の場合であれば、次の書類が必要です。
・変更届出書
・登記簿謄本
・営業所の確認資料として写真や名刺
登記簿謄本の変更は、司法書士ですることになっています。登記簿謄本の変更は、1週間程度はかかります。
5年の更新
建設業許可を取得したら、5年に1度の更新があります。建設業許可の有効期限は5年ですが、5年に1度、許可の更新が必要になります。
建設業許可通知書、許可の有効期限は記載してあります。手引き書にも、5年に1度の更新が必要である旨が書かれています。
会社の変更事項として多いのは、本店所在地の変更、取締役の変更です。
その他としては、商号の変更、資本金の変更、従たる営業所(支店)の変更などもありますが、本店所在地と取締役の変更事項がメインになります。
経営業務管理責任者と専任技術者
建設業許可の更新においては、建設業許可の要件である経営業務管理責任者と専任技術者に変更がないかをチェックします。
経営業務管理責任者が取締役を退任している場合や専任技術者が退職している場合には、建設業許可の要件が欠けているために更新を行えません。
経管や専技の常勤性を証明するためには、健康保険証のコピー、住民税の特別徴収税額通知書、確定申告書の役員報酬明細などが必要になる場合があります。
本店所在地の変更届、取締役の重任登記が必要になる場合、取締役の氏名や資本金の額は、いずれも登記事項ですから、取締役の就任、退任、辞任があった場合や、資本金の増資、減資があった場合は、登記の変更を行って、建設業課に変更届を提出してからでないと、建設業許可を更新できないことになっています。