建設業許可を取得するためには、専任技術者を配置する必要があります。
専任技術者とは、許可を受けようとする業種の建設工事に関する技術上の管理責任者として、一定期間である10年などの経験を有する者のことをいいます。
専任技術者の要件
実務経験の要件は、次のとおりです。
10年以上の職務経験
許可を受けようとする業種の建設工事における職務経験が10年以上あることが必要になっています。
5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務を管理した経験
許可を受けようとする業種の建設工事における職務経験が5年以上あって、なおかつ、経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務を管理した経験が5年以上あることが必要です。
6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験
許可を受けようとする業種の建設工事における職務経験が6年以上あって、なおかつ、経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験が6年以上あることが必要です。
実務経験は、許可を受けようとする業種の建設工事において、直接的に技術的な業務に従事した経験が必要になっています。
実務経験の期間は、継続的に勤務した期間と、通算した期間のいずれかを選択することができます。
実務経験の証明
実務経験の証明は、次の書類で行うことができます。
・雇用保険被保険者証の写し
・健康保険被保険者証の写し
・厚生年金被保険者証の写し
・建設業許可を受けた会社での実務経験を証明する書類
・その他、実務経験を証明する書類
実務経験の要件を満たすためには、事前に十分な準備が必要です。建設業許可を取得するためには、専任技術者の選任が必ず必要ですので、実務経験の要件を満たす専任技術者を確保しておくことが重要です。
実務経験と資格
国家資格(建築士や建築施工管理技士など)を持っていれば、実務経験の証明自体が不要になります。
土木科・建築科・電気科などの学科を卒業している場合は、卒業証明書を提示することによって、10年の実務経験の証明が3~5年に短縮される場合があります。
国家資格を持っていれば、実務経験の証明は不要になります。特殊な学科を卒業してれば10年の実務経験の証明期間が短縮されるので、許可取得という点では、国家資格がある場合が建設業許可取得の難易度が下がります。
次に特殊な学科を卒業してる場合となるのですが、一番難しいのが10年の実務経験を証明して建設業許可を取得する方法と言えます。
建築士、施工管理技士、電気工事主任技術士などの国家資格は、それなりに取得がむずかしいです。
難易度順にまとめて書くと次のとおりとなります。
(1)国家資格
(2)特別な学科の卒業経歴と3~5年の実務経験の証明
(3)10年の実務経験の証明
10年の実務経験を証明するには、取得したい建設業許可の業種の契約書と注文書、請書、請求書と入金通帳のいずれかが10年分必要になります。
建設業許可を受ける会社での実務経験を証明する書類としては、次のような書類が利用できます。
・工事請負契約書
・工事の注文書・請書
・請求書・領収書
・工事写真
・工事報告書
これらの書類は、建設工事の具体的な内容や、専任技術者が実際に技術的な業務に従事していたことを証明する役割があります。
実務経験の証明は、建設業許可申請の時に提出する書類に添付して行います。証明書類は、原則として、申請日の前日までに発行されたものに限られます。
実務経験の証明書類は、申請する業種ごとに提出します。たとえば、土木工事業と建築工事業の両方を取得する場合は、それぞれの業種の証明書類を提出する必要があります。