建設業許可の要件
建設業許可を取得するには、次の6つの要件を満たす必要があります。
・経営業務の管理責任者がいること
・専任技術者がいること
・財産的な基礎が安定していること
・誠実に契約を履行すること
・欠格要件に該当しないこと
・社会保険に加入していること
要件となっている専任技術者は、次のいずれかの資格が必要です。
・国家資格
・特殊な学科の卒業経歴と3~5年の実務経験
・10年以上の実務経験
専任技術者
専任技術者は、工事の請負契約を適切な内容で結んで、その工事を契約どおりに実行するための役割を担う技術者のことです。
業務内容としては、見積りの作成や契約の締結関連の手続き、注文者とのやりとりなどになります。
営業所に常駐している必要があるために工事の現場に出ることはないのが基本となっています。
建設業法では営業所ごとに専任技術者の配置が義務づけられているために専任技術者がいなければ建設業許可を受けることはできません。
建設業許可を取得するには、専任技術者が必ず必要になっています。
専任技術者は、建設業許可要件なので、専任技術者がいなければ、建設業許可を取得することができません。
専任技術者になるには、10年の実務経験を証明すること、もしくは、建築科、土木科、機械科といった特殊な学科の卒業を証明して、3~5年の実務経験を証明することになります。建築士、施工管理技士といった国家資格を取得するなどの方法があります。
第1種電気工事士と第2種電気工事士
第一種電気工事士と第二種電気工事士の違いは、電気工作物の種類と工事できる作業範囲が違っています。
第一種電気工事士
第一種電気工事士は、一般用電気工作物に加えて、500kw未満の自家用電気工作物に従事することができます。
第一種電気工事士は、ビルや工場の電気設備から小規模な工事まですることができます。
第一種電気工事士は、公共工事やインフラ関連などの現場やキュービクルの設置工事にも対応が可能となっています。
第一種電気工事士の資格試験の難易度は第二種電気工事士よりも高くて、学科試験の合格率は約40%、技能試験は約60%です。
第二種電気工事士
第二種電気工事士は、一般の電気工事会社やビルメンテナンスなどで仕事を請け負う工事が多くなります。
第二種電気工事士は、一般用電気工作物のみに従事できて、一般住宅や小規模施設の電気工事しかできません。
電気工事業の特殊性
国家資格が必ず必要
電気工事業の場合は、ほかの業種と違って、10年の実務経験を証明しても専任技術者になることはできません。
建設業許可の29業種のうち、電気工事以外では、消防工事も10年の実務経験を証明しても専任技術者になることができません。
また、無資格のあいだの経験というのは、専任技術者の要件として必要な実務経験年数にはなりません。
内装工事の専任技術者であれば、10年の内装工事の実務経験を証明すれば、専任技術者となれます。塗装工事も、とび・土工・コンクリート工事も、10年の実務経験を証明すれば、専任技術者になることができます。
電気工事業の場合には、無資格で電気工事の経験を積んでいたとしても、建設業許可を取得する場合には、必要な専任技術者の実務経験にならないので注意が必要です。
国家資格が必ず必要になるのが、電気工事の専任技術者になるための特殊性です。
免許交付後3年以上の実務経験
特殊性となるのが、免許交付後3年以上の実務経験の証明です。
第1種電気工事士、電気工事施工管理技士の資格を持っている者は、資格をもっていれば、電気工事業の専任技術者になることができます。
第2種電気工事士の資格については、資格を持っていても、免許交付後3年以上の実務経験の証明が必要になります。
第2種電気工事士
第2種電気工事士の資格を持っている者がいても、免許交付後3年以上たっていなければ、専任技術者になることができないために建設業許可を取得することはできません。
電気工事は、電気工事業の登録をしていないとできません。電気工事業法に規定されています。
免許交付後3年以上の実務経験は、電気工事業の登録をしている会社での実務経験でなければなりません。電気工事はしていても、電気工事業の登録をしていないと証明にはなりません。
第2種電気工事士の資格で建設業許可を取得するには、免許交付後、3年以上経過している必要があります。
免許交付後、電気工事業の登録をしている会社か個人で、経験を3年以上積んでいることも必要です。
3年間の実務期間中の常勤性を、健康保険証や住民税の特別徴収額もしくは確定申告書で証明します。
第2種電気工事士の資格の場合は、第1種電気工事士や電気工事施工管理技士の資格と違って、手間がかかりますが、建設業許可を取得できないということはありません。