建設業許可を取得している場合、さまざまな変更届があります。その中で、決算変更届は、建設業許可を取得している事業者が、毎年監督官庁への提出が義務づけられている提出物です。決算変更届という名前ですが、変更があった場合に提出するものではなく、毎年提出しなければならない書類です。
建設業許可について
建設業許可は、建設業をする場合に必要な許可です。建設業法第3条によって定められており、すべての建設会社に必要です。軽微な建設工事のみを請け負う場合は、許可は不要です。
建設業許可には、一般建設業の許可と特定建設業の許可の2種類があります。
一般建設業許可
一般建設業許可は、工事を下請けに出さない場合、下請けに出す場合でも1件の工事代金が4,000万円未満(建築一式工事の場合は6,000万円未満)の場合の許可です。
建設業許可を取得する目的は、500万円以上の工事や公共工事を受注できるようになることです。
特定建設業
特定建設業は、発注者から直接工事を請け負った場合に、1件の建設工事(元請工事)につき合計額が4,000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)の工事を下請に出す場合、取得が義務付けられている許可です。
建設業許可なしで工事を請け負った場合、建設業法違反として罰則の対象となる可能性があります。
建設業許可を取得するということは「500万円以上の工事を受注できる権利」を取得するのと同時に、変更事項がある場合は、各種変更届を提出するという義務があることを意味します。
各種変更届
商号の変更
建設業許可を取得した事業者が商号や屋号を変更する場合は、役所へ変更届を提出します。
法人の場合は履歴事項全部証明書を添付することがあります。
商号は建設業許可通知書にも記載されている重要な事項ですので、変更があった場合は速やかに監督行政庁へ届け出ます。
営業所の名称変更
建設業許可を取得した後に営業所の名称を変更した場合は、変更届を提出する必要があります。
営業所の所在地・電話番号・郵便番号の変更
建設業許可を申請した場所と同じ行政庁に変更したことを報告しなければなりません。
営業所の新設・廃止
建設業許可の営業所を新設または廃止する場合は、営業所の届出と、専任技術者や令3条使用人の変更手続きが必要になります。
営業所の業種追加、業種廃止
建設業許可の変更届を許可行政庁(国土交通省・都道府県知事)に提出しなければなりません。
資本金額の変更
建設業許可を取得している会社は、資本金の金額に変更があった場合、変更届を提出する必要があります。変更届の提出を怠ると、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金に処さられる場合もあります。
役員等・代表者の変更
代表者や役員の変更が生じた場合、許可を申請した行政庁に変更届出書を提出しなければなりません。
支配人の変更
建設業許可の支配人に変更があった場合は、許可を申請した行政庁(都道府県知事もしくは、国土交通大臣)に変更届を提出しなければなりません。
3条に規定する使用人の変更
建設業許可を受けた後、建設業法施行令第3条に規定する使用人に変更があった場合は、担当行政庁へ届出を行う必要があります。
経営業務の管理責任者の変更
建設業許可を受けた会社の経営業務管理責任者が交代する場合、変更届を提出する必要があります。変更届の提出を怠ると6か月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる場合もあります。
専任技術者の変更
専任技術者を変更する場合、変更届を提出する必要があります。変更届は、住民票、健康保険被保険者証のコピー、専任技術者の確認資料を添付します。専任技術者は、変更後も継続して常勤で配置する必要があります。
国家資格者・監理技術者の変更
建設業許可の国家資格者や監理技術者を変更した場合は、変更届を提出する必要があります。
決算変更届
決算変更届の提出は、毎年必ず必要です。期日の到来している決算の決算変更届の提出がされていない場合、更新申請、般特新規申請、業種追加申請はできませんので注意してください。
建設業許可を取得している事業者が、毎年監督官庁に提出することが義務づけられています。
決算変更届には1年間の決算の内容や、この1年間に行った工事の内容を記載することとされています。
決算変更届という名前になっていますが、報告事項に変更があった場合に提出するものではありません。