建設業許可を取得するには、経営業務管理責任者(経管)と専任技術者(専技)が会社に常勤している必要があります。
常勤とは、「休日その他、勤務を要しない日を除いて、一定の計画のもとに毎日、所定の時間中、その職務に従事していること」です。
一般的に週5日、1日8時間程度、会社に勤務している状態とされています。
常勤性を証明する資料は次の2つです。
住民票
健康保険者証の写し
住民票について
住民票は、経営業務管理責任者と専任技術者が、会社から通勤できる距離に住んでいるかどうかを確認するための資料です。
常勤性の証明には、住民票が必ず必要になります。住民票には謄本と抄本がありますが、常勤性の証明には抄本で問題ありません。
経営業務管理責任者と専任技術者が、会社社に常勤しているとするためには、両者が、会社から通える距離に住んでいることが必要になります。
住民票上の住所と実際に住んでいる事実上の住所が、異なる場合がありますが、実際に住んでいる場所が、会社に通勤できない場所に住んでいるのであれば、建設業許可を取得することはできません。このような場合では、名義貸しが疑われます。
住民票上の住所はかなり遠方であっても、経営業務管理責任者と専任技術者が実際には通勤可能な近隣に住んでいるという場合もあります。その場合、住民票のほかに、通勤可能な地区に住んでいるということを証明する必要があります。
この場合の証明資料として、「経営業務管理責任者と専任技術者の公共料金の領収書」「経営業務管理責任者と専任技術者あての郵便物」などがあります。
これらがあれば、経営業務管理責任者と専任技術者は、通勤可能なマンション・アパートに住んでいるということを証明できて、そのマンション・アパートから会社に通っている、常勤しているという推測が成り立つからです。
住民票は、建設業許可申請書類に専任技術者の住所の記入欄があるため、居所と住民票の住所地の両方を記入します。
健康保険証の写し、コピー
一般的に会社に正社員として入社すれば、その会社を通じて、社会保険に加入します。健康保険証に会社の事業所名が記載されていれば、その会社に常勤しているという推測が成り立ちます。
健康保険証に事業所名が記載されていない場合もあります。その場合には、次の書類が必要です。
標準報酬決定通知書の写し
住民税特別徴収税額通知書(徴収義務者用)の写し
確定申告書
経営業務管理責任者と専任技術者の常勤性が疑われる場合としては、住民票上の住所が遠方なのに、事実上の住所に住んでいる形跡がない、2つの会社から給料が支払われている
、会社から支払われている給料が少ない、確定申告の時の、役員報酬が支払われていない
などがあります。このようなケースでは、名義貸しが疑われてしまいます。
健康保険証が、許可を取る会社の健康保険、自営業者であれば国民健康保険であれば問題ないのですが、次のような場合では申請を受け付けてもらえません。
ほかに別会社などを経営していて、別会社での健康保険に加入している場合
自営業者であるにも関わらずな、持っている保険証が国民健康保険証ではない場合
社会保険に加入している会社は、住民票と健康保険証のみで常勤性を証明できます。
社会保険に加入していない会社は、住民票のほかに、確定申告書の役員報酬欄の記載や住民税特別徴収額通知書が必要になります。
現住所が住民票と異なる場合は、賃貸借契約書や公共料金の領収書などの現住所がわかる書類の写しを準備します。
住所と営業所がかなり離れている場合には、長期間の通勤定期券などが要求される場合もあります。