経営事項審査は、公共工事を受注するための必須条件になっています。経営状況分析は、経営事項審査の重要な評価項目となっており、入札参加資格は、この審査結果に基づいて付与されます。
決算変更届の提出
決算変更届は、事業年度終了後4か月以内に、許可行政庁に提出しなければなりません。建設業許可を取得している事業者の義務となっています。
経営事項審査を受審する場合は、過去の決算変更届の提出漏れがないかどうかを確認しておきます。
経営事項審査を受ける場合は、決算変更届で提出する書類は「税抜き」で作成するのが原則です。
経審を受ける場合と経審を受けない場合とで、書類の書き方に違いがありますので注意が必要です。
経営事項審査(経審)の予約
東京都を含めて、多くの自治体では、経営事項審査は予約制になっています。経審の予約は、決算変更届の副本を持参して、受付にて行います。
決算変更届が提出済みでないと、予約できない場合があります。
予約から1ケ月以上も先になることもあります。電子申請を利用する場合には、予約の必要はありません。
「経営事項審査」とは、公共性のある施設または工作物に関する建設工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が必ず受けなければならない審査です。
公共工事の各発注機関は、競争入札に参加しようとする建設業者についての資格審査を行うこととされており、当該発注機関は欠格要件に該当しないかどうかを審査したうえで、客観的事項と主観的事項の審査結果を点数化し、順位付け、格付けをしています。
このうち客観的事項の審査が経営事項審査といわれる審査制度であり、この審査は「経営状況」と「経営規模、技術的能力その他の客観的事項(以下「経営規模等評価」という。)」について数値により評価するものです。
国土交通省 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000153.html
経営状況分析の申請
経営事項審査を受けるには、経営事項審査の「経営状況分析」を受けている必要があります。
経営事項審査は、「経営規模(X)」「技術力(Z)」「社会性(W)」「経営状況(Y)」を点数化します。
「経営状況(Y)」を算出するための手続きが経営状況分析です。
国土交通大臣の登録を受けた次の民間会社に経営状況分析の申請をすることになります。
(一財)建設業情報管理センター 東京都
(株)マネージメント・データ・リサーチ 熊本県
ワイズ公共データシステム(株) 長野県
(株)九州経営情報分析センター 長崎県
(株)北海道経営情報センター 北海道
(株)ネットコア 栃木県
(株)経営状況分析センター 東京都
経営状況分析センター西日本(株) 山口県
(株)NKB 福岡県
(株)建設業経営情報分析センター 東京都
結果通知書(Y点)の受領
経営状況分析は、財務諸表や納税申告書などが必要になります。
経営状況分析を申請したあとに結果通知書(Y点)が郵送されます。この結果通知書は、経審の必要書類として添付が必要になります。
経営事項審査の準備
経営状況分析を受領して、経審の予約日に間に合うように、必要書類の準備をします。
経営事項審査を受けるにあたって、必ず必要な書類は次の3つです。
(1)経営状況分析結果通知書
(2)工事経歴書上位3件の契約書類
(3)技術者(経管・専技)の常勤性確認資料
(1)経営状況分析結果通知書は、経営事項審査の必要書類です。これがなければ、経審を受けることができません。
(2)工事経歴書上位3件の契約書・請書・注文書・請求書・入金通帳などは、工事の実績を証明するのに必要な書類です。
工事経歴書に記載してある上位3件の工事の証明書類を準備できないと、工事経歴書の書き直しや、売上高の訂正などの必要が出てきます。
技術者(経管・専技)の常勤性は、標準報酬決定通知書や健康保険証のコピーによって行われます。
経営事項審査の受審
必要書類を過不足なく、手引きに記載のある通りに持参します。
(1)経営事項審査確認書
許可番号や会社名を記入します。
(2)総合評定値請求書・経営規模等評価申請書
申請者氏名、必要事項を記入します。
(3)工事種別完成工事高・工事種別元請完成工事高
業種別に金額を記入します。
(4)技術職員名簿
在籍の技術職員を記載します。
(5)その他の審査項目
社会保険の加入・営業継続状況など、必要事項を記入します
(6)経営状況分析結果通知書
原本を提出します。
総合評定値通知書の受領
経営事項審査の結果通知書のことを「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」といいます。
総合評定値(P点)を確認します。
P点によって、入札に参加できる公共工事の規模が決まります。経審では、このP点をいかに上げていくかが、公共工事の入札のポイントとなります。
入札参加資格の申請
公共工事を受注するのであれば、「入札参加資格申請」をします。
「経営事項審査」は、「入札参加資格申請」に必要な客観数値である総合評定値「P点」を算出するためでもあります。
各自治体の入札参加資格を取得して、公共工事の入札に参加できるようになります。