経営事項審査は、公共工事の入札資格を取得するために、事前に受けておく必要がある審査のことです。
公共工事の事前準備のために行われる審査なので、複雑な手続きが必要となっています。
経営事項審査を受けるには、建設業許可を取得している事業者であることはもちろんですが、「決算変更届」「経営状況分析」を済ませている必要があります。
「決算変更届」は、事業年度終了後、4か月以内に許可行政庁に提出する必要があります。「決算変更届」には、工事経歴書や財務諸表の他、納税証明書を取得して添付する必要があります。
「経営事項審査」は「決算変更届」提出後に予約を入れ、「経営状況分析」の結果通知書が届き次第、受審するというのが手続きの流れになります。
「経営事項審査」とは、公共性のある施設、または工作物に関する建設工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者(建設業法第3条第1項の許可を受けた者をいう。)が必ず受けなければならない審査のことです。
公共工事の各発注機関は、競争入札に参加しようとする建設業者についての資格審査を行うこととされており、当該の発注機関は欠格要件に該当しないかどうかを審査したうえで、客観的事項と主観的事項の審査結果を点数化して、順位付けし、格付けをしています。
国土交通省 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000153.html
会社が赤字の場合
完成工事高(X1)
完成工事高(X1)は、一年間で工事を施工して売上があったのかを点数にしています。
完成工事高評点X1は、経営規模を表す指標の1つで、1,000万円未満から1,000億円以上までの42区分に分けて、建設業業種区分ごとに評点が決まります。
ここの点数は、直接的には赤字の影響はありません。
自己資本額と平均利益額(X2)
・自己資本額
貸借対照表の純資産合計に記載されている金額です。
直前の決算日の自己資本額と、直前2年平均の自己資本額を選べます。前年度が黒字であれば、問題ない場合もあります。
・平均利益額
平均利益額は、営業利益に減価償却費を足して戻した額で計算されて、前年度の額と平均されます。
本業で営業利益が減少すると、点数は下がることもあります。
経営状況分析(Y)
経営状況分析機関が財務諸表から点数を算出します。
経営状況評点Yは、経審のうち、経営状況を審査する評点です。建設業財務諸表から経営状況評点Yを算出します。
「負債抵抗力」「収益性・効率性」「財務健全性」「絶対的力量」の4つのそれぞれ2指標ずつ、合計8指標から経営状況評点Yを算出します。
Y点は赤字で影響を受けることになります。
負債抵抗力
赤字で資金繰りが悪化して借入金が増える場合は点数が下がります。
収益性・効率性
売上の減少と経費の増加の場合には、点数が下がることがあります。
経営事項審査の受け直し
経営事項審査では、結果通知書の不正使用防止の観点から、受け直しは、原則として認められません。
申請者側の理由によって経審を再度受け直すことは原則として、できません。
経営事項審査は、許可業種の追加をしたなどの場合を除いて、同一の審査基準日に対する審査の受け直しは原則として、認められていません。
直近の審査基準日で経営事項審査を受審した後で、業種追加によって許可業種数が増えた場合には、次の決算期までの間であれば、業種追加の業種も含めて、改めて経営事項審査を受け直すことはできます。
既申請は取下げとなるために、取下げ手続きや受け直しによる新たな手数料が必要となります。
審査基準日において、経営事項審査を受審していない場合には、審査基準日時点では許可を受けていない業種についても受審はできます。







