専任技術者の要件、必要書類や証明方法ですが、建設業許可を取得する事業者であれば、専任技術者の要件がポイントになってきます。
専任技術者の要件を満たさなければ、建設業許可を取得することができません。
専任技術者とは
専任技術者に必要な資格・学歴・実務
専任技術者は、自分自身や社長、もしくは社員の中に、専任技術者の要件を満たしている人がいるかどうかを確認します。
専任技術者ができること
建設業許可を持っているけど、業種追加や般特新規、営業所の追加をしたいという事業者の場合には、新規の許可申請だけでなく、業種追加や般特新規、営業所の追加の時も専任技術者の要件は重要な要件になります。
新規許可と同じく専任技術者の要件が欠けると、これらの申請が受け付けられません。
業種追加したい、一般の許可から特定の許可に変更したい、営業所を追加したいといった場合です。
専任技術者とは
専任技術者とは、営業所に常勤しており、みずから職務に従事することを要する者です。
常勤している必要があるので、出向など一部の例外を除いては、自社の社員であることが条件になります。
みずから職務に従事することが必要であるので、ほかの法令で専任性を要求されている管理建築士や宅建士などと兼務することはできません。
専任技術者の必要性
建設業の許可を取得することは、500万円以上の請負金額の工事が施工できるということになります。
工事の金額が増えれば、工事の規模や工事に関係する人の数も増えます。
500万円以上の工事となり、規模の大きい工事は、技術力や経験をもった事業者に施工してもらわなければなりません。
建設業法では、第7条2項で、許可を取得するには営業所ごとに専任技術者を配置するように義務付けています。
所属する営業所に常時勤務する者でなければなりません。したがって、名義だけの者や常識上通勤不可能な者は除きます。
埼玉県 許可の要件(法第7条、法第8条、法第15条) https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/44992/r56hp.pdf
専任技術者の要件
資格、学歴、実務経験などの組み合わせがたくさんあります。専任技術者になるには資格、学歴、実務経験のいずれかが必要です。
専任技術者になるための資格は70種類あって、指定されている学歴は139種類、必要な実務経験の期間も、10年・5年・3年・1年の4種類となっています。
資格、学歴、実務経験の3つを組み合わせで、専任技術者になります。
資格があれば、ほとんどの場合で、実務経験の証明が必要ありません。資格がなくても学歴があれば、実務経験の証明は長くても5年程度と短縮されます。
資格や学歴がなければ、実務経験の10年間を証明していくことで要件となります。
現在と実務経験証明期間の2種類の常勤性の証明が必要になります。
常勤性は、専任技術者だけでなく経営業務管理責任者にとっても重要な要件です。
常勤とは、原則として本社、本店などにおいて、休日その他勤務を要しない日を除いて、一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事していることです。
一級建築士や、一級建築施工管理技士などの資格がないので、専任技術者になるために、実務経験の期間を使うような場合には、許可を取得しようとしている会社である今現在所属している会社での常勤性と実務経験証明期間としての実務経験を積んでいた時期に所属していた会社での常勤性の2つの常勤性の証明が必要になります。
許可を取得しようとしている会社である現時点で所属している会社での常勤性の証明は、健康保険被保険者証などによって、証明できますが、過去に所属していた会社で、実務経験を積んでいた時期の常勤性の証明となると、厚生年金被保険者記録照会回答票、住民税特別徴収税額通知書の写し、確定申告書などで証明することになります。
実務経験の証明期間は、最大の場合で10年になりますが、10年の実務経験を証明するのはたいへんです。10年間の書類を全部そろえなければなりません。
実務経験の証明期間はできるだけ短くしたいのですが、短縮される期間が5年短縮されたり、7年短縮された場合によって証明する難易度が違ってきます。
国土交通省のサイトには、専任技術者の設置として詳しく要件が記載されています。参照ください。
専任技術者の設置(建設業法第7条第2号、同法第15条第2号)
専任技術者 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html
建設工事に関する請負契約の適正な締結、履行を確保するためには、許可を受けようとする建設業に係る建設工事についての専門的知識が必要になります。・・・・
資格と必要な実務経験の期間
資格第二種電気工事士:免許交付後2年
電気主任技術者:免許交付後5年
電気通信主任技術者:資格者証交付後5年
地すべり防止工事士:登録後1年
建築設備士:資格取得後1年
一級計装士:合格後1年
学歴と必要な実務経験の期間
・高等学校:全日制、定時制、通信制、専攻科、別科および中等教育学校:学校教育法の改正により創設された中高一貫教育の学校
指定学科卒業+実務経験5年
・大学・短期大学:学部、専攻科、別科および高等専門学校:学科、専攻科
指定学科卒業+実務経験3年
・専修学校:専門課程、学科
指定学科卒業+実務経験5年(専門士、高度専門士の場合は3年)
資格がない場合、指定学科である特殊な学科の卒業経歴があると、実務経験の証明期間が5年(もしくは3年)に短縮される場合もあります。
電気工事業・消防施設工事業
資格や学歴がなくて専任技術者になる場合は、10年の実務経験の証明が必要になります。10年の実務経験の証明ができれば、どの工事業種の建設業許可も取得できます。
ただし、資格がないと許可を取得できない業種があります。電気工事と消防施設工事です。
一般的な許可業種は、実務を行っていた10年間の証明ができれば、専任技術者になることができますが、電気工事、消防施設工事は、電気工事士法および消防法など法律の規定によって、無資格者の実務を認めていません。無資格者は実務をすることができないようになっています。
電気工事、消防施設工事の2業種は、無資格者が実務経験10年を証明して専任技術者になることができない業種となっています。
10年の実務経験は1業種のみ
10年の実務経験は1業種についてのみ使用可という規則があります。
10年を土木工事の実務経験として利用してしまっているために、ほかの業種の実務経験を証明する期間として利用できなくなります。
資格があっても実務経験が必要なケース
資格があっても実務経験の証明が不要になるわけではありません。原則として資格があれば10年の実務経験の証明は免除されることになっていますが、資格によっては、免許交付後何年とか資格取得後何年というように数年の実務経験の証明が必要とされているケースがあります。
専任技術者に必要な資格、学歴、実務経験
専任技術者になるには、資格を持っていることが重要です。資格があれば、ほとんどの業種で実務経験を証明せずに専任技術者になることができます。
(土木一式工事)
一級建設機械施工技士
二級建設機械施工技士
一級土木施工管理技士
二級土木施工管理技士(土木)
建設総合技術監理
建設「鋼構造及びコンクリート」総合技術監理
農業「農業土木」総合技術監理
水産「水産土木」総合技術監理
森林「森林土木」総合技術監理
(建築一式工事)
一級建築施工管理技士
二級建築施工管理技士(建築)
一級建築士
二級建築士
(大工工事)
一級建築施工管理技士
二級建築施工管理技士(躯体または仕上げ)
一級建築士
二級建築士
木造建築士
建築大工
型枠施工
(左官工事)
一級建築施工管理技士
二級建築施工管理技士(仕上げ)
左官
(とび・土工・コンクリート工事)
一級建設機械施工技士
二級建設機械施工技士
一級土木施工管理技士
二級土木施工管理技士(土木・薬液注入)
一級建築施工管理技士
二級建築施工管理技士(躯体)
建設総合技術監理
建設「鋼構造及びコンクリート」総合技術監理
農業「農業土木」総合技術監理
水産「水産土木」総合技術監理
森林「森林土木」総合技術監理
地すべり防止工事士
基礎施工士
ウェルポイント施工
型枠施工
とび・とび工・コンクリート圧送施工
(石工事)
一級土木施工管理技士
二級土木施工管理技士(土木)
一級建築施工管理技士
二級建築施工管理技士(仕上げ)
ブロック建築・ブロック建築工・コンクリート積みブロック施工
石工・石材施工・石積み
(屋根工事)
一級建築施工管理技士
二級建築施工管理技士(仕上げ)
一級建築士
二級建築士
建築板金「ダクト板金作業」
板金「建築板金作業」・建築板金「内外装板金作業」・板金工「建築板金作業」
かわらぶき・スレート施工
(電気工事)
一級電気工事施工管理技士
二級電気工事施工管理技士
建設総合技術監理
建設「鋼構造及びコンクリート」総合技術監理
電気電子総合技術監理
第一種電気工事士
第二種電気工事士
電気主任技術者
建築整備士
一級計装士
(管工事)
一級管工事施工管理技士
二級管工事施工管理技士
機械「流体工学」又は「熱工学」総合技術監理
上下水道総合技術監理
上下水道「上水道及び工業用水道」総合技術監理
衛生工学総合技術監理
衛生工学「水質管理」総合技術監理
建築設備士
一級計装士
給水装置工事主任技術者
空気調和設備配管・冷凍空気調和機器施工
給排水衛生設備配管
配管「建築配管作業」・配管工
建築板金「ダクト板金作業」
(タイル工事)
一級建築施工管理技士
二級建築施工管理技士(躯体または仕上げ)
一級建築士
二級建築士
タイル張り・タイル張り工
築炉・築炉工・れんが積み
ブロック建築・ブロック建築工・コンクリート積みブロック施工
(鋼構造物工事)
一級土木施工管理技士
二級土木施工管理技士(土木)
一級建築施工管理技士
二級建築施工管理技士(躯体)
一級建築士
建設「鋼構造及びコンクリート」総合技術監理
鉄工「製罐作業または、構造物鉄工」・製罐
資格者がいれば建設業許可の取得が簡単になります。資格がなくても許可を取得することはできますすが、学歴+実務経験か10年の実務経験が必要になります。
資格を持っている場合と比べると、3年~5年の実務経験の証明が必要になります。
大学の学科を卒業:実務経験3年が必要
短期大学の学科を卒業:実務経験3年が必要
高等専門学校の学科を卒業:実務経験3年が必要
専門学校の下記学科を卒業:実務経験5年が必要
高校の学科を卒業:実務経験5年が必要
中学の学科を卒業:実務経験5年が必要
(土木工事業・舗装工事業)
土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科を含む。以下この表において同じ)、都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科
(建築工事業・大工工事業・ガラス工事業・内装仕上工事業)
建築学又は都市工学に関する学科
(左官工事業・とび・土工工事業・石工事業・屋根工事業・タイル・レンガ・ブロック工事業・塗装工事業)
土木工学又は建築学に関する学科
(電気工事業・電気通信工事業)
電気工学又は電気通信工学に関する学科
(管工事業・水道施設工事業・清掃施設工事業)
土木工学、建築学、機械工学、都市工学又は衛生工学に関する学科
(鋼構造工事業・鉄筋工事業)
土木工学、建築学又は機械工学に関する学科
(しゅんせつ工事業)
土木工学又は機械工学に関する学科
(板金工事業)
建築学又は機械工学に関する学科
(防水工事業)
土木工学又は建築学に関する学科
(機械器具設置工事業・消防施設工事業)
建築学、機械工学又は電気工学に関する学科
(熱絶縁工事業)
土木工学、建築学又は機械工学に関する学科
(造園工事業)
土木工学、建築学、都市工学又は林学に関する学科
(さく井工事業)
土木工学、鉱山学、機械工学又は衛生工学に関する学科
(建具工事業)
建築学又は機械工学に関する学科
(解体工事業)
土木工学又は建築学に関する学科







