建設業許可の要件は、建設業法の第7条に規定する4つの許可要件を備えていることと8条に規定する欠格要件に該当しないことが必要です。
専任技術者の要件には、指定学科などの学歴がない場合は、10年の実務経験を証明する必要があります。
建設業の許可の4つの要件
- 建設業の許可の4つの要件とは次のとおりです。
- 経営業務の管理責任者等の設置(建設業法施行規則第7条第1号)
- 専任技術者の設置(建設業法第7条第2号、同法第15条第2号)
- 財産的基礎等(建設業法第7条第4号、同法第15条第3号)
- 欠格要件(建設業法第8条、同法第17条(準用))
専任技術者の設置
建設工事の請負契約の適正な締結、履行には建設工事の専門的知識が必要です。
営業所ごとに一定の資格、または、経験を有した専任技術者を置かなければなりません。
営業所に常勤していることも必要です。
専任技術者の要件
- 専任技術者の要件は次のとおりです。
- 許可を受ける建設工事で、高校卒業後5年以上もしくは大学卒業後3年以上の実務経験を有し、かつ指定された学科(指定学科)を修めている者などと細かく規定されています。
- 「指定学科」とは、建設業法施行規則第1条で規定されている学科です。
- 許可を受けようとする建設業の建設工事に関して、10年以上の実務経験を有する者
- 国家資格者
10年間の実務経験を証明する
- 10年間の実務経験を証明する書類例は次のとおりです。
- 工事請負契約書
- 工事請負契約書を提示することによって建設業許可を取得したい工事の実務経験を証明することができます。
- 注文書+請書
- 工事請負契約書がない場合には、工事の注文書と請書で、工事の実務経験を証明することができます。
- この場合は、注文書と請書のセットが必要になります。
- 請求書と入金通帳
- 工事請負契約書もしくは工事の注文書と請書のセットがない場合は、工事に関する請求書と入金通帳のセットを提示することによって、建設業許可を取得したい業種の工事の実務経験を証明することができます。
- 工事請負契約書
実務経験を証明する時には、必要となる書類として契約書、注文書と請書、請求書と入金通帳のいずれかが必要になります。
専任技術者としての要件を10年の実務経験で証明しようとする場合は、過去10年間にさかのぼって3点のうちで、いずれかを準備しなければなりません。
一般的に10年分の契約書、注文と請書を保管している会社は少なく、10年の実務経験の証明には、請求書と通帳が使われるのが一般的です。
専任技術者の要件とての10年間の実務経験を証明する方法のまとめ
専任技術者の要件として、許可を受けようとする建設業種の建設に関する技術を有し、かつ、当該建設業種に係る実務経験を10年以上有していることが必要です。
- 専任技術者の実務経験を証明するには次の3つの書類のうちいずれかが必要です。
- 工事請負契約書
- 注文書+請書
- 請求書+入金通帳
- これらの書類には、以下の内容が確認できる必要があります。
- 工事の名称・種類
- 請負金額
- 工事期間
- 請負者・発注者
実務経験を証明する期間中、専任技術者として常勤していたことを証明する書類も必要です。
- 専任技術者の常勤性の証明には、次の書類のうちいずれかが必要です。
- 厚生年金被保険者記録照会回答票
- 健康保険被保険者証
- 確定申告書
- 工事請負契約書
工事請負契約書は、専任技術者が実務経験を積んだ工事について、請負人として契約を締結したものであることが確認できるものでなければなりません。
入金通帳は、発注者が受注者に工事代金を支払った記録が残る書類として使われます。
請求書と入金通帳は、工事請負契約書の記載内容と一致していれば実務経験を証明する書類として利用できます。
実務経験を証明する書類は、申請先の都道府県や政令指定都市によって提出方法や必要書類が異なる場合があります。
- 実務経験を証明するには次の点に注意する必要があります。
- 工事請負契約書や注文書・請書は、工事の名称・種類、請負金額、工事期間、請負者・発注者などが記載されている必要があります。
- 請求書+入金通帳は、工事代金の請求金額と支払金額が記載されている必要があります。
- 実務経験を証明する書類は、過去10年間分が揃っていることが必要です。
- 実務経験を証明する書類は、申請先の行政機関に提出する場合、原本を提出する必要があります。
専任技術者の要件としての常勤を証明する方法
- 専任技術者の常勤性を証明するには次の書類のうち、いずれかが必要になります。
- 住民票
- 健康保険被保険者証
- 厚生年金被保険者記録照会回答票
- 確定申告書