建設会社を設立する場合、基本的には建設業許可が必要になります。
公共工事の仕事を引き受けるには、経営事項審査や入札参加資格申請などの手続きも必要になってきます。
建設会社を設立する
建設会社を設立するためには、合同会社、個人事業主でもできますが、株式会社を設立した場合には、都道府県知事、または国土交通大臣へ建設業許可申請をする必要があります。
会社設立手続き
(1)会社の基本事項を決めます。「商号」「決算月」「資本金の額」「本店所在地」「役員の役職・氏名」などを決めます。
(2)会社の印鑑を作成します。会社設立には、代表取締役印、銀行印、角印が必要です。
(3)発起人・取締役になる人の印鑑証明書をつくります。発起人・取締役になる人は、印鑑証明書を取得する必要があります。
(4)定款を作成します。
定款とは、会社の基本的なルールを定めたものです。
(5)定款の認証を受けます。
定款を作成したら、公証役場の公証人に定款を認証してもらいます。
公証人に認証してもらい、記載に誤りがなく各種法律や規則に適合した定款であることを公に認めてもらうことになります。
(6)出資金を払い込みます。
資本金は、会社設立時に払い込む必要があります。
(7)登記申請書類を作成します。
登記申請書類とは、会社設立に関する情報を法務局に提出する書類です。
(8)登記申請を行います。
登記申請書類を法務局に提出して、会社設立登記を行います。
登記を申請してから約1週間程度で、登記簿謄本ができます。
その時に、いっしょに「印鑑カード」「印鑑登録証明書」を発行します。
「登記簿謄本」「印鑑カード」「印鑑証明書」は、会社設立後の銀行通帳の作成、各種届出に必要になってきますので取得しておきます。
(9)税務署、年金事務所への届出
会社設立後に、「税務署」「年金事務所」などに、所定の書類を届出します。
建設業許可申請の手続き
(1)建設業許可の要件を満たしているか確認します。
建設業許可には、経営業務の管理責任者、専任技術者、営業所、財政的基盤などの要件があります。事前にこれらの要件を満たしているか確認します。
(2)建設業許可申請書類を作成します。
(3)建設業許可申請をします。
建設業許可申請書類を所轄の都道府県知事、または国土交通大臣に提出して建設業許可申請をします。
建設業許可の要件
- 建設業許可の要件は次のとおりです。
- 経営業務の管理責任者
- 建設業の経営業務を管理する責任者が必要です。
- 経営業務の管理責任者は、建設業法第26条第2項に定める要件を満たす必要があります。
- 専任技術者
- 建設工事の施工に必要な技術者が必要です。
- 専任技術者は、建設業法第26条第3項に定める要件を満たす必要があります。
- 営業所
- 建設業の業務をするための営業所が必要です。
- 営業所は、建設業法第27条に定める要件を満たす必要があります。
- 財政的基盤
- 建設業を営むために必要な財政的基盤が必要です。
- 財政的基盤は、建設業法第28条に定める要件を満たす必要があります。
- 経営業務の管理責任者
建設業許可の要件は、建設業種によって違ってきます。建設業許可の種類と要件については、国土交通省のホームページなどで確認できます。
建設業許可の申請費用
- 建設業許可の申請費用は、次のとおりです。
- 許可申請手数料
- 許可申請手数料は、建設業法施行令第10条に定める金額です。
- 建設業法に基づく登録免許税
- 建設業法に基づく登録免許税は、建設業法施行令第11条に定める額です。
- 許可申請手数料
- 建設業許可の有効期間
- 建設業許可の有効期間は、5年間です。
- 5年毎に更新する必要があります。
建設会社を設立する際には、会社設立手続きと建設業許可申請手続きの両方をすすめていく必要があります。
経営事項審査
経営事項審査は、建設業者の経営状況や技術力、施工実績などを総合的に審査して、その結果を総合評定値として示す制度です。
経営事項審査の総合評定値は、公共工事の入札参加資格の審査で重要な基準となります。
- 経営事項審査は次の要件があります。
- 建設業許可を取得していること
- 経営業務の管理責任者および専任技術者を有していること
- 営業所を有していること
- 決算書およびその他の書類を提出できること
(1)経営事項審査の申請書類を作成します。
- 経営事項審査申請書
- 決算書
- 経営業務の管理責任者の経歴書
- 専任技術者の経歴書
- 営業所の所在地を証する書類
- その他、必要に応じて添付書類
経営事項審査の申請書類は、国土交通省のホームページからダウンロードすることができます。
(2)経営事項審査の申請をします。
経営事項審査の申請書類を所轄の都道府県知事または国土交通大臣に提出して経営事項審査の申請をします。
経営事項審査の申請は、毎年、決算終了後4ヶ月以内を目途にする必要があります。
経営事項審査の審査期間は、約1ヶ月となります。審査の結果は、申請者に対して通知されます。
経営事項審査の総合評定値は、1から100までの点数で表されます。
総合評定値が70点以上であれば、公共工事の入札参加資格が得られます。