建築士事務所を開業する
建築士事務所を開設する場合は、事務所を設置する都道府県の知事に登録手続きをすることになります。
建築士法第23条の規定では、次の業務の場合は、建築士事務所としての登録が義務づけられています。
・建築物の設計
・建築物の工事監理
・建築工事契約に関する事務
・建築工事の指導監督
・建築物に関する調査または鑑定
・建築に関する法令または条例に基づく手続きの代理
設計事務所だけでなく建築工事の契約事務の事務所も建築士事務所の登録が必要になります。
建築士事務所登録の要件
建築士事務所登録の要件は次のとおりです。
・事務所となる場所が確保されていること
・管理建築士が常勤で在籍していること
・欠格要件に該当していないこと
・会社の場合は登記の目的に建築物の設計・工事監理などが含まれること
・納税の証明が取れること
建築士事務所の登録について
建築士事務所登録は、一級や二級の建築士試験に合格して、建築士の資格を持っているだけではなく、管理建築士講習の修了証を持っていること、ほかの建築士事務所の所属になっていないことの2点が要件になっています。
管理建築士
管理建築士は、建築士事務所を管理する建築士で、建築士事務所の登録は管理する建築士により一級建築士事務所、二級建築士事務所、木造建築士事務所となります。
管理建築士は専任となるので事務所に常勤しなければなりません。
管理建築士が欠けた場合には、建築士事務所の廃業届を提出してすぐに、廃業となってしまいます。
建築士法第24条1項には「建築士事務所の開設者は、建築士事務所ごとに、それぞれ建築士事務所を管理する専任の一級建築士、二級建築士、または木造建築士を置かなければならない」となっています。
建築士事務所の開設や登録するには、その事務所に専任の建築士(管理建築士)が必要となります。
管理建築士講習を受講するには、総合資格学院、建築技術教育普及センターなど国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関に管理建築士講習受講の申し込みをします。
登録講習機関に管理建築士講習の受講を申し込むためには、建築士として3年以上の設計などの業務に従事することが条件になっています。
建築士法24条2項では、管理建築士は、建築士として3年以上の設計業務に従事した後、登録講習機関が行う講習の課程を修了した建築士でなければならないとなっています。
登録書類
自治体によって、少し変わる場合がありますが、たとえば法人が登録する場合には、次のような書類が必要となっています。
・建築士事務所登録申請書
・業務概要書
・所属建築士名簿
・代表者の略歴書
・管理建築士の略歴書
・誓約書(欠格要件などに該当していない)
・定款の写し(代表印での原本証明)
・履歴事項全部証明書(申請時3ヶ月以内のもの)
・事務所の賃貸借契約書の写し(登記上の本店と異なる場合)
・法人事業税の納税証明書
・管理建築士の住民票
・建築士免許証(申請時に原本提示)
・管理建築士の前職場の退職証明書
・管理建築士の専任証明(社名の入った健康保険証など)
・管理建築士講習修了証の写し
・定期講習修了証の写し