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電気工事業者の登録に必要な要件と知識および「みなし通知電気工事業者」について

建設業許可29業種

電気工事を営む場合、建設業と異なり、請負金額の大小関わらず、開業に当たり何らかの手続きが必要になります。この項ではその解説を行います。

なお、神奈川県における手続き(手引き)を参考に作成しています。他都道府県や大臣手続きは必要資料が異なる場合があるので、別途お問い合わせください。

電気工事業は取り扱い内容によって手続きが異なる

電気工事業を始める場合は、取り扱う電気工作物により、手続きが異なります。

  • 一般用電気工作物(600V以下で受電する比較的安全性の高い電気工作物、一般家庭・事務所等の屋内配線や、10kW未満の太陽光発電設備など)を含む電気工事は、「電気工事業者の登録」が必要です。
  • 一般用電気工作物以外を事業用電気工作物と呼び、その中でも600V超で受電する工場やビル等の電気設備(ネオン・非常用発電設備を含む)を自家用電気工作物と呼びます。そして、最大電力が500kW未満の需要設備のみを取り扱う場合は、「電気工事業開始の通知」が必要です。
  • 最大電力500kW以上の需要設備や、発電所・変電所などは、電気工事業登録(通知)の範囲外とされていますが、とても大型な設備となるので、一般的には建設業許可(電気工事)」が必要です。
  • もちろん、建設業許可(電気工事)だけでは一般用電気工作物・500kW未満の自家用電気工作物の工事ができないので、その場合は「みなし電気工事業者の登録(または通知)」が必要です。

電気工事業の業務の適正化に関する法律では、電気工事業者の登録・通知に関する規定を、電気工事士法では電気工事業者の登録・通知に欠かせない電気工事士に関する規定を定めています。

なお、この項では具体的に取り上げませんが、事業用電気工作物は電気事業法に基づき、所有者に、電気主任技術者の選任や保安規程の作成および国(経済産業大臣)への提出が義務付けられています。また、工事は国の認可が必要なことが多く、認可なしで工事をした場合は罰則が規定されています。

電気工事者の登録

  • 営業所が1つ、もしくは1つの都道府県のみの場合は、都道府県知事の登録が必要です。
  • 営業所が2つ以上の都道府県にある場合は、経済産業大臣の登録が必要です。

登録電気工事業者の要件

登録電気工事業者の要件、必要書類は次のとおりです。

  • 人的要件として、「(申請する営業所ごとに)主任電気工事士がいること」「電気工事業の業務の適正化に関する法律第6条に基づく欠格事由1~5号に該当しないこと」があります。
  • 主任電気工事士は、第一種電気工事士または実務経験3年以上の第二種電気工事士です。建設業の電気工事施工管理技士とは異なるので注意が必要です(他業との兼任はOKです)。なお、500kW未満の自家用電気工作物は第一種電気工事士しか取り扱いできません。
  • 欠格事由1~5号は、主に無資格で施工をした場合や変更届を出さないなどで、罰金刑以上を受けて執行が終わったところから2年以内や、登録を取り消されて2年以内などがあります。法人の場合は役員まで対象になります。
  • 設備要件として、「(申請する営業所ごとに)備付器具があること」があります。
  • 一般用電気工作物は「絶縁抵抗計」「接地抵抗計」「抵抗及び交流電圧を測定できる回路計」が必要です。
  • 自家用電気工作物を取り扱う場合は上記に加えて「低圧検電器」「高圧検電器」「継電器試験装置」「絶縁耐力試験装置」も必要です(ただし試験装置類はリースなどの借用が可能)
  • 建設業と違い、財産要件は求められていません。

登録電気工事業者の必要書類

  • 登録電気工事業者登録申請書
  • 備付器具調書
  • 電気工事士免状(第二種の場合は実務経験3年以上を満たす実務経験証明書、第一種の場合は免状取得後5年後から5年ごとに受講する講習履歴も必要)
  • 履歴事項全部証明書(法人)または現住所を確認できる書類(個人)
  • 主任電気工事士が法人の役員以外または個人事業主の従業員である場合は、その人の誓約書・雇用証明書も必要です。
  • 登録電気工事業者の有効期間は5年で、5年ごとに更新登録が必要になります。
  • 登録・更新は都道府県または国に手数料の支払いが必要になります。都道府県の場合は登録22,000円、更新12,000円です。
  • 最後に、罰則があるのでご注意ください。(主なものを掲載。通知・届出も同様です)
  • 無登録で電気工事業を営む→1年以下の懲役または10万円以下の罰金、またはこの併科
  • 備付器具を備えない→3万円以下の罰金
  • 変更(代表者、営業所住所、主任電気技術者、法人の場合は役員)がある場合の届出をしない→2万円以下の過料

電気工事業開始の通知

500kW未満の自家用電気工作物のみを取り扱う場合、開業時の通知を行うことで登録の代わりとなります。

  • 「通知」は登録ではないので、手数料がかかりません。
  • 主任電気工事士の選任が必要ありません。
  • 申請書類は登録の項から、主任電気工事士の部分が除かれるので、とてもシンプルになります。
  • 5年ごとの更新もないですが、代表者、営業所住所、法人の場合は役員の変更があった場合は、変更通知書の提出が都度必要です。
  • 注意事項として、500kW未満の自家用電気工作物は第一種電気工事士しか取り扱えません。よって、主任電気工事士の選任は必要なくても、第一種電気工事士が会社に在籍していることを、まずはご確認ください。

建設業者の特例「みなし」

建設業許可を持つ建設業者が電気工事業を行う場合、あるいは、電気工事業登録・通知をしている業者が建設業許可を取得した場合は、みなし電気工事業者の「届出」を行います。

  • 「届出」は登録ではないので、手数料がかかりません。
  • 添付書類に建設業許可証が追加されます。
  • 登録電気工事業者がみなし電気工事業者になる場合は、登録が抹消されるので登録書の提出も必要になります。(通知の場合も同様)
  • これ以外は、登録・通知と書類はほぼ同じです。
  • 「みなし」特有の手続きとして、建設業許可を更新した場合も、変更届出書(または変更通知書)が必要になります。連動して更新されないので、都度提出が必要になります。

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